KIPON IBELUX 0.85/40mm Mark 2 レビュー

KIPON(HandeVision)から送られてきたレンズは量産前のサンプルである特別色で赤でした。聞くところによると世界で10本だけ生産された色らしく、それを預かることは実に光栄です。
ちなみに量産ではブラックとするそうです。
KIPON IBELUX 0.85/40mm Mark2(アジア圏ではHandeVisionではなく知名度あるKIPONブランドとするそうです)は、2014年発売のMK1の改良版となります。

Handevision (KIPON) IBELUX 0.85/40mm MK2


レンズの作りは質感が高く、全金属製のボディは渋く光ります。



受け取って最初に撮影したのは我が家の「キナ」の昼寝姿なのでした(笑)。

Afternoon home cat


もちろん、F値は開放のF0.85です。このレンズの特徴はF0.85という明るさにあります。改良前のバージョンでもF0.85という開放絞りから想像するほど悪くはなかったのですが、改良版であるこのレンズは予想通り幾分描写が良くなっています。残念ながら最近接撮影距離は前バージョンと同じく75センチ。APS-C対応のイメージサークルを持つレンズ40mmのレンズとしても少々遠いので、この明るさを少々スポイルしてしまっている気がします。

このレンズの描写をわかりやすく説明すると、オールドレンズのように開放では柔らかく、絞るに従ってシャープに変化していくレンズです。余談ですが、AdobeのLightroomにはこのレンズの補正データが内蔵しているので、それを適用すると歪曲は補正出来ます(補正しないと若干の樽型歪があります)。


メーカーサイドはポートレイトレンズと明言しているし、実際そう思うのでポートレイト撮影でその描写を見ていくことにします。

KIPON IBELUX 0.85/40mm MK2 Portrait
model : Tamaki Wada
FUJIFILM X-T2


F0.85での開放での描写です。モデルの目の処を見ればわかりますが、ハイライトに光の滲み(ハロ)が出ます。コレを見れば今どきの純正レンズにはない独特の描写をする事がよくわかります。背景に少々ぼかすと面倒くさい場所を使ってるのですが、ボケが汚くなるようなこともなく美しくトーンを魅せてくれます。このレンズはボケにかなり気を使っている設計なのだと感じます(絞り羽10枚の円形絞り)


Bohemian

Bohemian
model : AIRA
FUJIFILM X-T2


少し離れてF1.4での描写です。コレくらいの距離になると開放での場合、収差の影響でピントの山をEVF拡大でも正確につかむのは屋外では難しくなるので少し弱気になりました(笑)。しかし、40mmでは難しい中距離での浮き上がるような描写が出来るのには少々驚きました。被写界深度だけではなくボケの出し方が大きく影響している気がします。ちなみに、開放値~F2.8までは周辺減光が目立ちますが、このレンズを使うときはそれも含めての撮影となるのであまり気にしないと思います。


ちょっと描写が面白いので、ポートレイトを離れてスナップも撮ってみました。

Dragon's mouth

Hasedera, NARA
FUJIFILM X-T2

Model photo exhibition
FUJIFILM X-T1


何れもF0.85による描写です。何れも撮って出しで現像処理などは行っていませんがなかなかに味のある描写をしてくれます。フレーム内に点光源がある場合、条件にもよりますがF0.85~F1.4まではリング状のゴーストが現れます。これはこれで面白いのでこういう描写を楽しめる人にとっては稀有なレンズかもしれません。F2にすればこのゴーストは消えます。ちなみに、F8まで絞ると周辺まで含めてきっちり繊細に描写します。


次にスナップ的にポートレイトを撮影した写真で見てみます。

Aki

Aki

Aki

Aki ( who eats cake )
model : Akiko Nakaoji
FUJIFILM X-T1


なんでもない街の中のスナップで印象的なポートレイト撮影ができました。ビルの隙間や部屋の中の一瞬。コンセプチュアルな作品撮影よりも何気ない日常のポートレイトで威力を発揮するレンズなのがよくわかります。メインとなるモデルをクローズアップすることは容易です。だいたい被写体の3m以内ならピント合わせに苦労する事はありません。極薄な被写界深度も恐れるに足りず(笑)。


というわけで、雨まじりの天気に公園でスナップポートレイトを撮ってみました。

Masami

Masami

Masami

Masami
model : Masami Takamatsu
FUJIFILM X-T1


さすがに屋外で開放絞りを多用するとどこで撮ってるのかわからなくなりますね(笑)。現実的にはもう少し絞ってF1.4あたりを多用することになると思いますが、少し絞ってF1.4なんて言えるところが凄いです。

同社のIBERITシリーズと比較するとあまりにも違うレンズなので比較になりませんが、F0.85というレンズを実現し、補正レンズを含めて、40mmという焦点距離にしてはかなり重量(1KG以上)がありますが、線の細い描写と味、美しいボケを組み合わせて他では得られない写真を撮ることが出来ると言えます。特に女性モデルを撮る場合、解像しすぎない描写は肌を美しく魅せる事に長けていて、サンプルで掲載している写真はすべてカメラ撮って出しである事でそれがわかると思います。


機材協力: 新東京物産株式会社




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by HarQ | 2017-10-12 15:54 | Camera & Lens | Trackback | Comments(0)

写真家ヤマグチハルク(山口晴久)の写真日記と時々作品。FUJIFILM公式 X-Photographer やっとります。